初めての富士登山、行って分かった必要な物


人生初・富士山へ

以前から一度登ってみたいと思いながら、なかなか機会のなかった富士登山。学生時代の友人に「登ったことがあるか」聞いたところ、皆同じような状態で全員未経験者だったので・・、一念発起して登ってみようということで、日程都合のつくメンバー2人で行ってきました。周囲を見回しても、「行きたいと思ったことがある」人が多い割に、実際に登ったことがある割合は結構低い印象です。実際に体験しないと分からないことは多いので、大変有意義な経験でした。


初心者にも関わらず日帰りに挑戦

最初は、山小屋に宿泊して2日掛かりで行く想定でいましたが、山小屋の予約が取れなかったため止むを得ず日帰りで行くことに。日帰り登山の一番の懸念は、短時間で高所に登ることによる「高山病」、これは本当に慎重に気を配りました。あとは、装備をどうするか非常に悩みました。夜&明け方は寒いため防寒具必須とはよく言われるけれど、日中はどうなのか?荷物は極力減らしたいけれど、登った後で後悔しないか?事前の準備では不安だらけで、WEBの情報もかなり参考にさせてもらいましたが、やはり実際に行ってみて初めて分かることも多かったです。これから登る方の参考になればと思い、「初心者・日帰り」登山者として気付いた内容を整理しました。


実際に行って気付いた点
<登山ペース>
  • 5合目まで
    今回は、富士吉田IC脇にある「富士山パーキング」に駐車(1,000円)し、30分置きに出ているシャトルバス(往復2,500円)で4時半に出発、5合目の富士吉田口に5時15分に着きました。日帰りの場合、5合目で1時間位はゆっくりして身体を高所に慣らす必要があるので、山頂までの所要時間を6~7時間として逆算すると、昼頃に山頂に着くためには遅くとも「5時発」には乗るのが望ましいです。(始発は4時です)
  • 6合目~8合目
    今回登山に掛かった時間は、登り=6時間半/下り=2時間半でした。下りも脚の疲労はあるし転倒による怪我に気をつける必要はありますが、じっくり時間を掛けるべきは断然「登り」です。体調や個人差はあると思いますが、6合目後半辺りからは高所に来たな、というか…酸素が薄くなってきている感覚がありました。7合目から山小屋が点在しはじめるので、日帰りの場合は、7号目の山小屋で早目に長めの休憩を取って、身体を改めて高所にじっくり慣らすのがいいと思います。7合目はまだ緑も多く眺めも楽しめるので、ゆったり気持ちに余裕を持って水・栄養ドリンク・軽食等でパワー充電して、8合目までの長い区間に備えたいところです。
  • 8合目~山頂
    8合目からは、いよいよ標高3千メートルを超えます。8合目の次は、本8合目、その次は8号五勺と続き、9合目まで2時間は掛かる富士登山メインイベントともいえるキツいステージです。景色も緑が減ってきて、茶褐色の斜面や大きな石の続く道が「登山している」気分にさせてくれます。ここまできたら、とにかく焦らず…自分が楽なペースでゆっくりと一歩一歩前に進む感じですね。息が上がるとキツいので、ゆっくり進んで、息が上がってきたら一旦止まって呼吸を整えてから動き出す、この繰り返し。できれば友人との会話も控えめに、自分自身のペース&呼吸を感じながら歩くのがいいと思います。WEB記事に「30cm先のロウソクを消すように息を吐くとよい」というTIPSが載っていましたが、確かにそのくらい細く長く息を吐けるペースを意識しておければ、心肺のトラブルは防げる気がします。そしていよいよ、9合目を超えたら…山頂は目前。一歩一歩石段を踏みしめながら、ラストの白い鳥居をゴールテープを切るように通り抜けましょう。
  • 山頂~5合目
    下りは、登りの時の息苦しさもなく、開けた眺望の下、なだらかな斜面が続くのでついスピードを出しがちです。御殿場口下山時の「大砂走り」などと比べると、吉田口の下山道はゴロゴロした石も結構あって転倒すると危険らしいです。私も一度足を滑らせ運よく怪我はなかったですが、注意しながら下りる必要はあると感じました。また、登りで脚を酷使しているので、何でもないところで力が抜けて転倒するリスクもあるし、下りは思っている以上に膝や腿に負担が掛かるので、気を緩めず景色を楽しみながらゆっくり下山するくらいで丁度いいと思います。
<持っていけばよかった物>
  • 100円玉
    トイレは有料で100円玉を大量に使う、というのは事前に聞いていましたが、1回100円だと思っていたら、場所により200~300円掛かるのは驚きました。長旅を考えると最低でも千円分はないと不安です。環境保全のためのコストなので止むを得ないですね。
  • トレッキングポール
    行く前は持参を検討しましたが、結局今回は持たずに行きました。登りは手で岩を掴むことも多く手が塞がるのは危険なので、折り畳み式のポールはリュックにしまっておいて、下山時に使用するのが一番良い気がしました。
  • 登山用ゲイター
    シューズの外から被せるタイプの簡易的なストレッチゲイター。足首周りから異物が入るのを防いでくれるカバーで、今回は持参を検討すらしなかったのですが、必要だったと後悔したものの一つです。下山中、シューズに小石が大量に入り、何度も靴を脱ぎ直すはめになったのですが、安い物でもよいので、ゲイターがあればかなり快適な下山になったのではないかと思います。
  • 日焼け止め
    季節・天候に関わらず、太陽に近づく富士登山で「日焼け止め」は必須です。標高が高くなると涼しく感じるので、感覚がズレてしまいますが…紫外線はしっかり浴びているのでケアは必須です。私は、日焼けする絶好のチャンスと甘く考えていて水ぶくれができてしまいました。
  • スマホ用のストラップ&ポケット
    登山中、眺めが非常に素晴らしく写真に収めたいと思う場所が度々あります。その様な時に、都度都度リュックを下してスマホを取り出すのは面倒な上、うっかり落とすと紛失のリスクもあります。例えば胸ポケットなど、直ぐに取り出せて、ぶつかる危険もなくジッパー付のポケットがある「定位置」を決めておき、万一に備えて落下防止のストラップを繫いでおけば、余計なストレスなくスマートに登山の想い出を残せると思います。
<靴・ウェア>
  • 登山靴
    トレランの練習として、ランニングシューズで登山している方も散見されましたので、普段履きのスニーカーでも登頂は可能であるとは思います。但しシューズがどれだけ足を守ってくれるかで、登山の快適度&ストレスは大きく変わるのを痛感したので、ブランド品である必要はないですが、初心者の方は絶対にミッドカットの「登山靴」をお薦めします。(ローカットだと足首を守れず、ハイカットだと重たいので)
  • ウェア
    トレランの方は、短パン+Tシャツ+ランニングバックパック(10リットル程度)の軽装で軽やかに走っていきますが、初心者の方は、温度・紫外線で調整のきく長袖Tシャツはあった方が良いと思います。天気も良かったためか、私の場合、張り切って持参した軽量ダウン・フリース・ウインドブレーカーの出番がまったくなく、上半身=長袖Tシャツ+半袖Tシャツ(暑さに応じで長袖をまくる)、下半身=スパッツ+短パン(暑さに応じてスパッツをまくる)というスタイルでも少し暑いくらいでした。
  • リュック
    私は、普段から使っているアディダスの25リットルバックパックでいきましたが丁度良かったです。容量は20~30リットル位あれば十分です。長時間背負うことになるので、肩ひもの感覚など小さなストレスが疲労に繋がることのないよう、自分が使い慣れているものを選ぶのがよいと思います。
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