サッカーW杯に国民が熱狂する理由


世界に跨った地球規模のスポーツ祭典として、野球(WBC)・オリンピック(多種競技)などもありますが、サッカーのワールドカップ(以下W杯)がなぜここまで熱を持つのか、改めて、それぞれのスポーツの歴史的背景・人々を魅了する理由について考察してみました。

紀元前・古代ギリシャのオリンピア地方で神々へ捧げる「祭典」をルーツとし、1896年にスポーツを通じた世界平和を目的に「近代オリンピック」としてギリシャ(アテネ)で復活、現在まで受け継がれている「五輪」。歴史的に見ても、聖なるスポーツの祭典であり、かつ世界最大のスポーツイベントであることは間違いありません。競技スポーツに関わるすべての人々の憧れでもあるオリンピックですが、「聖なる」が故に、70年代までプロは参加不可の「アマチュア専門」だったこともあり、真の実力世界一を決めるという「競技」性より「祭典」寄りの側面もあったかもしれません。「手段を選ばず勝負に拘る」というより「参加することに意義がある」と言われていたこともあり、主役はあくまで応援する側ではなく選手。選手を中心とした地球規模の「スポーツ親交イベント」という色合いです。

サッカーのルーツは諸説ありますが、戦勝時の生首奪い合いという説が有力な様です。その後も代理戦争に使われたり、歴史的にサッカーは、政治・戦争と密接に関わってきた背景があります。純粋なスポーツ祭典として歴史を刻んできた「オリンピック」、エンターテイメントとして磨き上げられてきた「野球」と比べると、サッカーというスポーツは成り立ちが異色(そもそもスポーツではない)です。競技のルールも、野球と比べるとプリミティブ(原始的)で本能的・直感的に感情移入しやすく、またオリンピックの様に多様な競技がある訳ではなく、ただ一つのボールの行方に全国民が目線が集まり一喜一憂する…。そのサッカーが4年に1度だけ、FIFA(国際サッカー連盟)加盟の全211ヵ国が自国の面子を賭けて真剣勝負をする場こそがW杯。国民が熱狂する根本は、サッカーというスポーツの成り立ちにあるのかもしれません。