から揚げ店なぜ増えた?そして今後は?
から揚げ専門店の急拡大
クリスマスが近づいてきて、スーパーもコンビニも、フライドチキン推しムードが高まってきました。しかし街を見渡してみると…、フライドチキン専門店はケンタッキーくらいしか見当たりませんが、それに対して、から揚げ専門店の多いことに驚きます。日本唐揚協会の発表によると、から揚げ専門店の数は、2012年(約450店)から2022年(約4,400店)へ10年でほぼ10倍に拡大したとのことで、特に2018年以降の伸びも顕著です。
から揚げ専門店が急増した理由
ここまで極端に店舗が増えた理由は、主に以下のようです。
- 小規模な店舗で運営可能なので、開業時からコストを抑えられる
- 鶏肉は他の食材と比べ原価安(一般的な飲食業原価率=30%・唐揚げ=25%)
- 専門店として限定した運営をすることでオペレーションを簡易化できる
- 消費税増税(2019年)で、軽減税率が適用されるテイクアウト需要増
- コロナ禍の影響で、テイクアウト需要にさらに拍車がかかった
急増したから揚げ店、今後どうなる?
導入障壁が少ないこともあり、短期間で急増したから揚げ専門店ですが、コロナ禍が沈静化し店内需要モードにシフトしているため、テイクアウトに絞った運営形態が足枷になり、コロナ禍と比べ3割近く客数が減少しているようです。あまりに極端に拡大し過当競争になったところへ、客足減少に加え、最近の原価高でコストも圧迫され、ここへきて倒産が激増しています。
今後さらに淘汰が進むとネガティブな予測が大半ですが、決定的にポジティブな点が一つあります。それは、日本人は「から揚げが大好き!」であるということ。昔も今も、そしてこれからも変わることのないシンプルな事実。競争は続きますが、消費者に支持される店舗は生き残り、美味しい唐揚げをこれからも変わらず提供してくれるはずです。