清涼飲料業界、驚きの原価とマーケティング
缶&ペット飲料は容器の方が高い!
最近、1本100円以下で販売する格安自販機が増えてきたような気がします。また、コカ・コーラ(コークオン)のような自販機のハイテク化も目につきます。果たして清涼飲料は儲かる市場なのか、ちょっと調べてみました。
一般的に、一本当りの工場原価は・・・、
・ 販売価格120円の缶飲料
・・・∟ 中身=約2円 + 容器=約11円
・ 販売価格150円のペットボトル
・・・∟ 中身=2.5円 + 容器=12円
と言われています。
因みに、カフェで飲むコーヒーは、一杯=300〜600円/原価=30~60円 らしいです。原価率は概ね10%前後といったところでしょうか。
清涼飲料はプロモーション合戦
飲料の原価は、人件費と容器製造費が大半を占めています。容器製造費は、製造数に応じて変動する原材料費に加え、工場運営に伴う固定費も掛かります。さらに流通コストも加わってきますが、大量の商品を製造・流通させることで、一本当たりの原価を下げることに成功している多売前提のビジネスモデルです。そして一定のラインを超えると・・・元々原価率の低い商品なので収益は推して知るべしですね。
缶飲料の場合「一定のライン」を超えるための重要ポイントが、味はもとより「イメージ」が最重要のキーになりがちなため、CM・キャンペーンはじめ、各社しのぎを削ってイメージアップを図っています。他の消費材と比べても、缶&ペット飲料のPRマーケティングのレベルは非常に高いと思います。
結局のところ、企業の方針次第?
但し、これらはあくまで一般的な傾向であって中には例外もあります。乳飲料・100%果汁飲料などは当然原価も変わりますし、各商品の利益性を鑑みどのように販売していくかはメーカー各社の方針によるところだと思います。
かなり昔の話になりますが・・・、私が新卒で入社した会社は、おーいお茶で有名な「伊藤園」でした。具体的な数値は覚えていませんが、コーヒー・その他清涼飲料と比べ、当時一見安そうに思えた無糖飲料「お茶」の原価が抜群に高く衝撃を受けた記憶があります。お茶への拘りを会社の方針としてブレずに貫くことで、結果として、缶のお茶は美味いと市場に認知させ、無糖飲料を市場に根付かせる立役者となりました。
プロモーションが非常に重要な市場ではありながらも、モノ作りの基本としてメーカー自身の「拘り」も大切、そのバランスをどう取って消費者へアプローチしていくのか、清涼飲料メーカー各社の動きは、いつも興味をそそられます。