リアルと現実逃避、脱獄映画の醍醐味
脱獄映画の醍醐味は?
映画には、アクション・ヒューマンドラマ・コメディ・ホラー等々様々なジャンルがありますが、中でも個人的に好きなジャンルが「脱獄もの」です。脱獄映画は、「アクション映画のスリル」と「心理面に訴える怖さ」を併せ持ち、かつ実話に基づいた作品も多いのでリアルな空気感に惹き込まれます。囚われの現状(リアル)とそこから抜け出そうとする願い(非現実)を、脱獄する主人公目線で感情移入することで強烈に感じることができるのが脱獄映画だと思います。
個人的なベスト5はこれ
各々テイストも違うので比較は難しいのですが、シンプルに「個人的に強く印象に残った作品」という視点でランキングをつけてみました、トップ5はこちらです。
- 第5位:「パピヨン」
極限状態における、スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンのキャラのコントラストが秀逸。脱獄系のヒューマン友情ドラマ的な見方もできる名作。 - 第4位:「大脱走」
エンターテイント系脱獄映画の金字塔。テーマソングもテンション上がる。特技を活かしたチーム内の役割分担は面白い。最後にジェームス・コバーンが一人自転車で悠々と脱走を成功させるシーンが好き。 - 第3位:「ショーシャンクの空に」
リアルな刑務所の空気を感じさせるが決して暗くはない。希望を持ち続ける強い気持ちの大切さを痛感。脇役モーガン・フリーマンの存在感が半端ない。脱獄後雨に打たれるシーンの美しい映像が印象的。 - 第2位:「ミッドナイト・エクスプレス」
最初に主人公がトルコの空港で捕まるシーンは、映画の音声と自分の心臓音がシンクロする緊迫感。トルコの刑務所という当時では特殊な環境の理不尽さ、主人公の置かれた状態の極限さが強烈に伝わる。 - 第1位:「告発(Murder in the First)」
いわゆる「脱獄劇」メインのストーリーではなく、刑務所内が舞台の実話に基づくドキュメントリーなので、脱獄映画に区分するのは賛否両論あるかもしれませんが、刑務所の「外」に出るための闘いという点で、脱獄映画と見做しました。今では観光地化されている、サンフランシスコの悪名高いアルカトラズ刑務所、その当時のリアルと陰惨さが数日間感情を引きずられるくらい刺さりました。冒頭、独房でのケヴィン・ベーコンの眼差しは、極限の孤独状態に置かれた人間の狂気がにじみ出ていて・・全編通してとにかく胸に迫る映像。後半は法廷映画的な面白さもあり、また時代が生んだ過去の過ちへの学びもあり、様々な見方ができる名作だと思います。