Jリーグで逆転可能な「勝ち点差」はどの位?
残り試合数と逆転可能な「勝ち点差」
今期のJリーグも、全38節中26試合を消化して残12試合(J3は15)と順位争いもいよいよ佳境に入ってきました。Jリーグに限らず、サッカーのリーグ戦では「逆転可能な勝ち点差=残試合数」と言われます。具体的な根拠のある数値ではなく、これまでの幾多の実績の中で培われた「暗黙知」のようなものかと思いますが、確かに…目安としてはしっくりくる妥当な数値だと感じます。とはいえ、データに収まらない劇的な逆転(逆転昇格・残留)を果たしたチームもあるはず。過去にリーグ戦後半のラストスパートで印象に残ったチームを整理してみました。
ラスト10試合で「大逆転」を果たしたチームは?
ラスト10試合、優勝チームと変わらないペースで勝ち点を荒稼ぎしてリーグ後半戦の台風の目となったチームをピックアップしました。改めてみるとすごい勝ち点獲得ペースですね。
<J1への残留>
- 2008年(千葉)
勝ち点 21(17位) → 勝ち点38(15位)+17
残留圏15位までの勝ち点差「6」を逆転 - 2012年(大宮)
勝ち点 24(17位) → 勝ち点44(13位)+20
残留圏15位との勝ち点差はなかったが順位大幅アップ - 2018年(G大阪)
勝ち点 21(17位) → 勝ち点48(9位)+27
残留圏15位までの勝ち点差「5」を逆転
過去のデータを見たところ、逆転残留はあるものの「勝ち点差」自体は少なく、ラスト5試合になった時点で勝ち点3差がついて残留できたケースはないようです。
<J1への昇格>
- 2012年(横浜C)
勝ち点 51(9位) → 勝ち点74(4位)+23
プレーオフ圏の6位内は獲得したものの昇格ならず - 2017年(千葉)
勝ち点 45(13位) → 勝ち点69(6位)+24
ラスト5試合を全勝しプレーオフ圏内に滑り込んだが昇格ならず - 2018年(大分)
勝ち点 55(5位) → 勝ち点78(2位)+23
自動昇格圏までの6ポイント差を逆転し、2位で昇格
J2からJ1への昇格は、過去のデータを見たところ、30節を超えた時点で昇格圏内にいるチームがそのまま突っ走る可能性が高く、逆転ドラマが起きやすいのは「プレーオフ圏内」を巡る戦いのようです。
その他の「勝ち点」に関する目安
- J1→J2への降格ラインは、勝ち点=40を基準として、40以上=残留可能性大・35以下=降格可能性大が目安となります。
- J2→J1への昇格ラインは、1試合平均勝ち点=2以上を目標値として、当確ライン=85・最低ライン=75(2012年・湘南)、プレーオフ圏内ライン=勝ち点70以上が目安となります。
昇格には勝ち切ることが大事、残留には負けないことが大事とよく言われます。昇格を目指す勝ち点獲得ペースだとドローは負けに等しいので勝ち点「3」を取り切る力が必要になり、逆に、残留するためには勝ち点「1」の積み重ねが大きく響いてくるということですが、まさにこれから終盤佳境を迎えるJリーグ、勝ち点の重みが増した真剣勝負が続くので目が離せません。