日本の紙幣、歴代の肖像人物
「硬貨」から「紙幣」へ
日本で「紙幣」が今のように金銭価値を伴って流通され始めたのは江戸時代からで、それまでは「硬貨」が一般的だったようです。「硬貨」は、鋳造&量産が容易で、素材自体が貴金属として価値があるため安心感もあり、穴の開いた形状は紐で束ねられ携帯利便性も高い。一見欠点がないような「硬貨」ですが、人口&流通量の増加に伴って「金属不足」という問題に直面します。そこで、「硬貨」の代替品として運用されるようになったのが「紙幣」となります。
日本における紙幣の成り立ち
紙幣の元祖は、江戸幕府が開かれた頃に近江商人の間で使われた「山田羽書」と言われており、その後は福井藩を皮切りに領土内で使用する「藩札(はんさつ)」が多くの藩で普及しました。これらの流れから、金銭と同価値を持つ「紙」を介した経済活動が日本にも根付いていき、日本全国共通の「紙幣」が運用される下地ができたと言えます。
そして明治時代・文明開化幕開けの象徴の一つとして、1868年に日本全国共通の政府紙幣「太政官札(だじょうかんさつ)」が発行されました。しかし「太政官札」は偽造が容易という問題があったため、政府は印刷先進国に紙幣発行を依頼しました。
・ 1870年 : ドイツに発行依頼「新紙幣」
・ 1871年 : アメリカに発酵依頼「国立銀行紙幣」
日本紙幣における「肖像人物」の始まり
そしていよいよ1881年に、日本で初めて「肖像人物」入りの紙幣がスタートします。記念すべき最初の肖像は「神功皇后(じんぐうこうごう)」となりました。新羅(朝鮮)に出兵し活躍した「三韓征伐物語」の中心人物です。そして以降は「紙幣」が刷新される度に、肖像人物は誰かが話題に上がるようになりました。
※ 過去に「紙幣」肖像となった人物一覧。