第二のシリコンバレーは?(90年代~現在)


シリコンバレーの成り立ち

90年代のITバブル時から、ITの聖地としての「シリコンバレー」のバリューは不動のものでしたが、ここ最近、中東側で新しい動きがあるようなので、過去の振り返りを含め「シリコンバレー」を取り囲む状況を整理したいと思います。

シリコンバレーは、アメリカ・カリフォルニア州、サンフランシスコ南部からサンノゼ市にかかる約1,500平方マイルの細長く広大なエリアを指し、企業誘致が始まったのは1960年代からです。もともとは半導体製造で有名(シリコン)、「サンタクララバレー」の地名(バレー)、を合わせて「シリコンバレー」と呼ばれるようになりました。

大きな転換期は1990年代、1993年のインターネット商用化を契機に「IT革命」と言われる世界を巻き込むムーブが起こり、多くのIT有力企業・スタートアップ企業が「シリコンバレー」に集まってきたことで、ITの中心、起業の中心、そして…あたかも世界の中心であるかのごとく強力なブランド力を持った一大エリアになり現在に至ります。

Wikipedia「シリコンバレー」


他のIT系企業が集まるエリアは?

サンノゼ市「シリコンバレー」がIT企業誘致の一大トレンドを作りましたが、その影響を受け、IT有力企業・スタートアップの誘致に注力するエリアが現われはじめました。これらは「第二のシリコンバレー」や「○○のシリコンバレー」と呼ばれ、一時期日本含む様々な国から多くの有力企業が出店しましたが、商慣習・規制の不透明感・政治などがハードルとなり撤退した企業も多いようです。主なところでは、深圳(中国)・バンガロール(インド)などが挙げられますが、その後も東南アジア・北欧など世界中で同じようなトレンドは発生し続けています。しかし「シリコンバレー」のスケールを超えるのは難しいでしょう。

そのような中、今最も注目を集めているのが「イスラエル」です。現在はガザ地区への侵攻が話題の中心になっている治安不安定な国ですが、以前よりハイテク産業に強く、特にセキュリティ面では世界をリードする企業も輩出しているIT国家です。
「イスラエル」の中心であるテルアビブには、IT有力企業・スタートアップが多数集まっていますが、綺麗なビーチを誇るヨーロッパ有数のリゾート地、環境の良さも影響しているのではないでしょうか?

ちなみに日本では、2018年に虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーにオープンした「CIC Tokyo(ケンブリッジ・イノベーション・センター東京)」が、多数のスタートアップを誘致したイノベーションのハブとして注目されています。
従来の日本の強みだった「企業力」から、世界に後れをとっていた「起業力」へ、優秀な人材のパラダイムシフトに向けた大きな一歩になりそうです。

CIC Tokyo(公式HP)